はじめに


縁あって中国で27年にわたり勉強、仕事、生活していた経歴を持つ鈴木さなえと申します。


2016年8月に“完全帰国”し、ふるさと秋田に戻ってきました。


中国(北京)にいた最後の数年間は、起業して県産品(主に日本酒)の輸入販売に取り組み、そこから秋田と中国との経済的・人的交流が広がっていけば……という思いを抱いておりました。


と同時に、中国での訪日観光がブームとなる中で、秋田県の場合は県産品などの海外(アウェー)における販路拡大に取り組むよりも、海外の人たちに秋田(ホーム)に来てもらい、バリエーション豊かな観光資源や地元の人たちとの心温まる交流を楽しんでもらいつつ、利益を上げられるような取り組み(インバウンド)を行ったほうがより効果的なのではないかと考えるようにもなりました。


そして実際に秋田に帰ってきてからは、まぁ「対中国語圏インバウンド」と限定的にはなってしまいますが、これまでの経験を活かして何かしら貢献できることがあれば……と思っており、有難いことに、これまでに何度か県の関連事業で若干お手伝いさせていただく機会がありました。


ただ今年に入ってからは、突然の新型コロナウイルスによる世界的な感染拡大、そして日本でも緊急事態宣言が発令、その後なんとか宣言が解除されて段階的な緩和が進み、先月(6月)19日には全国で県境を跨いだ移動が可能となりましたが、様々な社会・経済活動に甚大な影響がもたらされています。


国や各都道府県では地域経済活性化策の一環として、観光や飲食業に向けた取り組みを行っており(→国の「Go To キャンペーン」は8月に入ってからのようですが)、秋田でも「秋田県プレミアム宿泊券・飲食券」が販売され、少し前の魁に掲載されていた県民向けの観光ツアーの募集広告では、すでに半数近くのコースで定員に達していました。


観光面においては、まずは県民による県内旅行、それから少しずつ県外との行き来へ……という流れで国内旅行の需要喚起に取り組み、インバウンドについてはまだ当分先の話になるでしょう。


国が考えている対外的な往来や交流での緩和対象においても、


・第一段階:ビジネス客と研究者

・第二段階:留学生など

・第三段階:観光客


となっていますし……


EU(欧州連合)では今月(7月)1日より渡航制限を段階的に解除し、観光客やビジネスでの入国を受け入れる国のリストを公表、これには日本も含まれていますが、現時点で日本ではEU全加盟国も含めた多くの国からの外国人の入国を認めていませんよね。


第一段階のビジネス往来については、ベトナム、タイ、オーストラリア、ニュージーランドとの間で交渉が始まっており、ベトナムについては先月(6月)下旬に、駐在員や出張者440人が臨時便で渡航、また日本との往来の多い中国、韓国、台湾やブルネイ、ミャンマー、ラオスなどとも再開に向けた協議を始めるようです。


ただ台湾については、再び感染者が増えてきている日本について、感染リスクの低い国からのビジネス目的での短期訪問における入国緩和措置の対象から外す可能性もあるということで、それぞれの国の事情がありますから、やはりなかなかスムーズにはいかないことだと思います。


とは言え、ある程度の時間を要することになっても、第三段階にあるインバウンドの流れも再び戻ってくるでしょう。


中国人と台湾人を対象としたアンケート調査で、「新型コロナウイルスが終息したら日本へ旅行したい」と考えている人が、中国人では9割以上、台湾人では8割以上いたという情報がありました。

「インバウンドニュース(2020年5月18日)」(やまとごころ.jp)


世界的に見ても、これからの旅行においては、いわゆる“三密”を避けるということで、


・旅行スタイルは、不特定多数の人が一緒に参加する団体パックツアーから個人や家族・友人といった互いに素性の明らかな人たちでのグループ旅行


・旅行先としては、それほど人が密集していない場所(→これまでのメジャーな観光地ではない)や屋外(→自然を満喫できる場所やレジャーなど)


・宿泊先については、小規模施設(収容人数が元々少ない)や1棟貸しの民泊施設など(→少し前に魁で北秋田市と上小阿仁村の取り組みが紹介されていましたよね)


というように変化するであろうということが色々なところで言われており、私もそうなるだろうなと思っています。


そしてまた、秋田には「こうした条件に合った場所や観光資源がたくさんある!」とも考えており、現状下にあっても、というかだからこそ、継続した情報発信で対外的な繋がりを保つことが大切になると考えています。


また今後は、しっかりとした感染拡大防止策がなされているかどうかが現在の国内におけるお客様だけでなく、今後の海外からのお客様にとっても旅行先を選ぶ際の重要なポイントになると思いますし、さらにネットを活用した取り組みについては、それこそ世界的に応用していくことができます。


こうしたことから、最終的な着地点は「秋田における対中国語圏インバウンド」としつつも、様々な媒体で見聞きした観光関連情報から、「これは秋田でも参考にできるのでは?」と思い、「秋田でだば、こんたふうにせば面白い取り組みになるってねがや?」と考えた(妄想した)ことを書き出してみようと思った次第です。(→「能代市生まれ、現在は八峰町在住ということで、具体例が主に能代山本地域になってしまうであろうこと、予めお断りしておきます)


より専門的に関連情報を収集したり、またすでに色々と具体的な取り組みを行ったりしている方たちがいらっしゃるわけですが、このブログを通じて、観光面からの秋田の活性化、さらには秋田の持続可能な明るい未来の共創にほんの少しでも関わっていけるのであれば、本当に有難く、また心から嬉しく思います。


なにかのご縁で目にしてくださった方がいらっしゃいましたら、どうぞよろしくお願いいたします。


秋田未来共創

中国滞在歴27年。交流人口の増加、そして地域の活性化へと繋がる観光誘客(ここでは主に対中国語圏インバウンド)に関する取り組みを通じて、秋田県の持続可能な未来を共創していくことを独断と偏見で勝手に考えているサイトです

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