記事を読んでからちょっと時間が経ってしまい(→ブログの更新も)恐縮ですが、前回に引き続き、ウェブサイト「トラベルボイス」のメルマガにとても勉強になった記事がありましたのでご紹介いたします。
今回は、ハワイ大学疫学専門家の岡田悠偉人(ゆいと)氏が、ハワイを事例に新型コロナウイルスの感染管理と観光の再開について書かれたコラムです。
ご自身の暮らすハワイの状況について書いていらっしゃるのですが、新型コロナウイルスの感染拡大の原因や観光を進めていくうえでの感染対策、そして感染対策を観光地のブランディングの一部にするという考え方、さらに感染対策行為に新たな価値を付加したり、アトラクション化したりするといった内容は、私たちにとってもとても参考になるものだと思いました。(「すでに読んだよ!」という方もいらっしゃいますかね)
日本でも今月(10月)1日から「Go To トラベル」キャンペーンに東京発着の旅行も追加され、観光地や観光関連消費を見込める業種においては、期待を寄せていらっしゃる方たちも多いと思いますが、であれば尚のこと、
①感染対策を可視化することで、しっかりとした措置を講じていることをアピールし、観光地や関連する施設・店舗(レジャー施設、宿泊施設、土産物店、飲食店、etc.)における新たな“ブランド価値” にする(そしてそれを対外的に伝えていく)
②感染対策を持続可能なものとするために、その行為に新しい価値を付加したり、“アトラクション”として楽しんで体験してもらえるようにする
ことをそれぞれに工夫を凝らして取り組んでいくことが必要になるし、大切なのではないかと考えます。
コラムでは、①、②についてハワイでの事例も紹介されていて、さらに①の取り組みについては、
日本で感染管理を監修した複数の宿泊施設でも、ホームページにしっかりと感染対策を掲載することで、売り上げが2倍以上になりました。旅行に行く人も、しっかりと感染対策をしている観光先だから大丈夫、という言い訳が必要なのです。
と書いていらっしゃいました。
また②に関しては、
感染対策を持続可能にする遊び心が、観光を邪魔しない、攻めの感染対策を生み出していくと確信しています。
感染対策にも飽きてきたので、感染対策をネガティブなものではなくて、ポジティブなものとして捉え直す時期にきています。
とも
もちろん秋田でもすでに、各地域や関連施設、店舗で工夫を凝らした様々な感染対策や対策グッズを取り入れていらっしゃるところが多いと思いますが、まだまだ“その地域(施設、店舗)ならでは”のユニークで楽しめる対策やグッズが考えられると思っています。(→コラムで紹介されているハワイの具体例から、自分でも「秋田(もしくは○○地域)でだば、こんたごどやってみればおもしぇってね?」と得意(?)の妄想が始まりました。これについては後日改めてお話ししたいと思います)
さらに、「観光産業の公衆衛生的な意義」という観点からのお話の中では、まず“公衆衛生(Public Health)”というのは、「よく生きること(Well-being)を目的として、医療だけでなく政治や経済、教育、環境など幅広い視点からシステムを改善していく実践的な学問のこと」だそうですが、新型コロナウイルスによる感染拡大防止のための長期にわたる自粛ムードは、「大きな精神的な負荷となり、また人間関係などの社会的な資源も枯渇させていき、収入格差や教育格差をさらに広げる」とし、
COVID-19から波及する間接的な影響に対する社会的な処方が、観光だと考えています。
と述べられています。
そして、
旅館でのちょっとした立ち話が、うつ傾向にあった人のこころに触れるかもしれません。和室で一緒に雑魚寝することで、家族の成長を思い出し、こどもへの愛情を強めるかもしれません。そこには、観光で救える命があります。むしろ、観光でしか救えない命も存在します。だから、感染対策を徹底しながら、よく生きるために社会を取り戻すために、是が非でも観光を再開しなければならないのです。
と書いていらっしゃいました。
これを読んで私は、観光客の側だけでなく、迎え入れる側(地域、施設、店舗、個人)においても、“経済的に救われる”ということ以外に、岡田氏がおっしゃる“よく生きる”ための公衆衛生的な意義から救われることも多くあるんじゃないかなと思いました。
自分たちの地域外からいらっしゃる観光客との交流を通じて、自分たちにとってはごくごくありきたりな自然景観や慣習、行事、食べ物、ライフスタイルなどが実はその地域ならではの唯一無二のものであり、それらが「目新しい、面白い、楽しい、素晴らしい……」といった評価を受けている、喜ばれていることに気付き、そこから自分たちの住む地域により一層の愛着が湧く、そこに暮らす自分たち自身もなんか誇らしく思える……といったことがあるのではないでしょうか。
よりよく生きるための秋田における観光の取り組み、一緒に考えていきませんか?
最後になりましたが、今回ご紹介したメルマガの記事はこちらです。
・トラベルボイス
ハワイから学ぶ観光地の感染対策、疫学専門家が提言する、観光再開に向けた社会の処方箋【コラム】
※文中に“てにをは”の使い方などで幾つか「入力ミスかな?」と思った箇所がありました。ご参考まで
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